副腎腫瘍の概要

副腎は腎臓の上に位置する小さな臓器で、ホルモンを分泌する重要な役割を担っています。副腎腫瘍は、この腺に発生する腫瘍で、良性のものと悪性のものがあります。腫瘍がホルモンの分泌に影響を与えることで、体内のホルモンバランスが崩れることがあります。このようなホルモンの不均衡は、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

副腎腫瘍の種類

副腎腫瘍には主に二つの種類があります。ひとつは良性の腫瘍で、主に副腎皮質に発生する「副腎皮質腫瘍」です。もうひとつは悪性の腫瘍で、こちらは「副腎髄質腫瘍」と呼ばれます。良性の腫瘍は通常、ホルモンの過剰分泌を引き起こすことは少ないですが、悪性の場合はホルモンの過剰分泌が見られることがあります。

ホルモンバランスへの影響

副腎腫瘍は、コルチゾール、アルドステロン、アドレナリンなどのホルモンの分泌に影響を与えます。コルチゾールはストレスホルモンとして知られ、体の代謝や免疫機能に関与しています。腫瘍がコルチゾールを過剰に分泌すると、クッシング症候群という状態を引き起こし、体重増加、高血圧、糖尿病などの症状が現れます。

アルドステロンは体内の塩分と水分のバランスを調整するホルモンです。腫瘍がアルドステロンを過剰に分泌すると、原発性アルドステロン症を引き起こし、高血圧や低カリウム血症を引き起こすことがあります。また、アドレナリンは心拍数や血圧を上昇させる作用があり、腫瘍がアドレナリンを過剰に分泌すると、頻脈や不安感を引き起こすことがあります。